横浜YMCAでは、毎年8月を“平和月間”としています。
山手台学童クラブは、8月の1日~3日にかけて平和について考える時間をつくりました。1日、2日はリーダーによる原爆についてのお話と、平和の願いを込めた折り鶴作り。3日は“被爆体験”のお話を、山手台保育園アルクの年中・年長さんと一緒に聞きました。
平和学習1日目は、リーダーによる原爆についてのお話を聞きました。原爆ドームや資料館の写真を使って、当時の出来事について学びました。難しい言葉も多く、低学年には伝わりにくいかなと思いましたが、プロジェクターを使用して大きなスクリーンに映し出される当時の様子を再現した写真は、子どもたちの心を動かしたようで、釘付けになりながらリーダーのお話を聞いていました。
平和学習2日目は、折り鶴作り。平和の願いを込めてみんなで鶴を折りました。普通サイズの鶴は学童用に、小さな鶴は広島の平和記念公園へ渡す用に。合わせて、200羽以上の鶴を折ってくれました。子どもたちが気持ちを込めて折った鶴は、平和記念公園に千羽鶴として届けられます。「みんなの願いが届きますように。」
平和学習3日目は、YMCA山手台センタープール会員の横山弘さんが、“被爆体験”のお話を聞かせてくださいました。まずは、山手台保育園アルクのひろリーダーによる、「8月6日のこと」という絵本の読み聞かせから3日目の平和学習の時間は始まりました。絵を通して、子どもたちは“核と平和”について学びました。
そして、横山さんによる当時のお話。アルクの年中・年長さんと一緒に聞きました。横山さんは中学1年生の時に、急に体調が悪くなり物陰に座り込んでいる際に被爆されました。広島の原爆投下地から1.5㎞付近にいた横山さんは、20~30mほど吹き飛ばされてしまったそうです。気を取り戻し家に戻ってみると、そこには家がなく、家族が全身に火傷を負った姿を目の当たりにし、お母様は出かけていてその日以来会うことができなかったそうです。戦争の悲惨さや放射能の危険性等、子どもたちが分かるようにお話してくださいました。悲惨な体験談は、子どもたちの心にとても響いたようで、お話の後に「なんで戦争なんてするんだろう…。」と少し悲しげに話していました。子どもたちなりに今自分たちが平和に生きていけていることが当たり前ではないということを感じ取ってもらえたのかなと思います。
横山さんのお話を聞いた後、山手台センターにて行われていた「佐々木貞子さんと平和の折り鶴展」を見学しました。佐々木貞子さんのお話は、平和学習1日目に学んだことだったため、「この前リーダーが話してた人だ!」と興味を持ってたくさんの資料に目を通していました。広島・長崎に原爆が落とされてから、71年。これだけの月日が経ったにも関わらず、当時のお話を聞くことができたことは、子どもたちにとって、私たちリーダーにとっても、大変価値のある貴重なものになりました。今を生きる一人ひとりが戦争の悲惨さについて考え、平和を祈り、生活していけることを願います。
この度、貴重な体験談をお聞かせくださった横山弘さん、本当にありがとうございました。子どもたち・リーダー一同、心より感謝申し上げます。
※横山弘さんの被爆体験記は「国立広島原爆死没者追悼平和祈念館」に納められています。“平和情報ネットワーク”で検索していただけますと、どなたでもお読みいただくことができます。
(YMCA山手台学童クラブ 秋山)