2016年8月3日水曜日

8月6日のこと

YMCA山手台保育園アルク

横浜YMCAでは毎年8月を「平和月間」としています。
 8月に入って間もない本日8月3日、山手台保育園アルクの年中・年長児16人と山手台学童24人の子どもたちが合同で「被爆体験」のお話を伺う時を持ちました。お話をしてくださったのは、YMCA山手台センタープール会員の横山 弘さんです。
 横山さんは当時中学1年生。勤労動員に行く途中、急に体調が悪くなり物陰に座り込んでしばらく休んでいた時に被爆されました。それは、広島の原爆投下地からわずか1.5キロの付近でした。
 その瞬間20メートルから30メートル吹き飛ばされて気を失ってしまったそうです。10分から15分でふと気がつき必死に走って家に戻ったっこと、家は吹き飛びお父様が左半身火傷の姿、弟さんは壁とミシンの間に倒れていたり、勤労動員で出かけていたお母様にはその日から二度と会うことが出来なかったこと等、お話をしてくださいました。
 そして、「戦争は二度としてはいけないこと。」「放射能は危険なこと」「平和が一番」であることなどを子どもたちに分かりやすくお話ししてくださいました。「好きなことを一生懸命に勉強してください。」とエールをもらった学童の子どもたちはしっかりと頷き横山さんのお話に聞き入っていました。
山手台センターでは8月2日~10日まで「佐々木貞子さんと平和の折り鶴展」を行っています。横山さんのお話を伺った後、学童の子どもたちもアルクの子どもたちもこのポスター展を見学しました。
この日のアルクの給食は「すいとん」と「さつまいも」でした。
 アルクの子どもたちは「すいとん」や「さつまいも」は戦争当時によく食べられていた物とは知りませんし、珍しくておいしいと感じたことでしょう。それでも自分たちの生まれるずっと以前に、悲しい戦争があったこと。多くの人が戦争によって命を亡くしたこと。大切な人との別れ、体や心の痛みがずっと続いていること・・・子どもたちなりに感じ考え、これからの「平和」を作る種になってくれたらと思います。
 横山さんの被爆体験記は「国立広島原爆死没者追悼平和祈念館」に納められています。平和情報ネットワークで検索していただけますと、どなたでもお読みいただくことができます。
 戦争の悲惨さ・惨さ・その時代に生きた人々を忘れることなく、今を生きる一人ひとりが「平和」について考え責任を持って生活していかなければと感じます。
 大変辛い体験を、子どもたちに分かりやすく、また恐怖心を抱かないよう配慮しながらお話しくださった横山 弘さんに心から感謝申し上げます。
(YMCA山手台保育園アルク 遠藤 弘子)